「多能工」とは、いろいろな職種に分かれている作業を兼務して行う職人のことを言います。
ざっくり言うと、ユーティリティープレイヤーです。
言い換えると「複数の役割をこなす職人」と言うことです。

現場は役割分担されている

通常、リフォーム現場では多様な職人が出入りします。
大工、塗装、壁紙、床、そして水道や電気など、この他にも数多くの職種の職人が現場に関わります。
それぞれの職人は、「大工さん」「ペンキ屋さん」「電気屋さん」などと呼ばれ、現場において独立した役割を担っています。
ざっくり言うと、現場には「各専門職がいる」「役割分担されている」と言う事です。

具体的な多能工

具体的に多能工を説明すると、例えば「壁紙職人が床も貼る。」「大工が家具を作る。」といったことを指します。
中には、電気工事や水道工事まで兼任している職人もいます。そういう職人は、トイレや洗面所を一人で工事して、現場を仕上げてしまうのです。すごいですね。
(私には、電気工事や水道工事は出来ません。)

私の場合で言えば、壁紙職人が本業であり、本業以外に床を貼る作業や大工仕事、塗装や各所の修理・修繕などをこなしています。

多能工が生まれた背景

多能工が生まれた背景には、大きく2つの理由があります。
一つ目の理由は「人材難」です。職人のなり手が少なく、職人不足ということです。

二つ目の理由が「工事費」です。1人の職人に2つの職種をやらせることで工事費を安く抑える事が出来ます。
これは、工務店やリフォーム屋などの職人を使う側にとって非常に都合が良い。
面倒な、職人の手配に気を揉まなくて良いし、何より利益率が上がる。
ざっくり言うと「楽して、儲かる」と言う事です。

多能工は普通?

今の時代、多能工は普通になっているかというと、そうとは言い切れません。理由は様々です。
「自分は○○屋だ!」と言った、取るに足らない意地もあれば、「面倒臭い」「責任が増えるからイヤだ」という積極性を欠いた理由もある。

これには補足が必要で、そもそも「負担が増えるだけで、お金にならない。」と言う現実がある。
努力して技術を身につけるほど、自分の首を絞めることになるから。無理矢理やらされて、クレーム処理や手直しをさせられるのだから、たまったものではない。

これとは別に、一度や二度やったことがあるだけで「やり方を知っている」と言うだけの、程度が低い多能工気取りの連中が数多くいるから注意が必要です。
その程度の「知っている」だけでは、その仕事を知らないのと同意。
このことが分らないから、本業もお粗末。(ヒロミの爪の垢でも飲めば良いのに。)

実際にその作業を繰り返し何度もやって、身にしみこまないと本当の技術は身につかない。

まとめ

多能工とは、いろいろな役割を兼務する便利で魅力的な職人である。
しかし、あまり居ない。

そして、あえて一言言えば、多能工の仕事の質を見極めるのは難しい。
安易に依頼すると失敗するかも知れません。
本業をしっかり持った職人であれば、そのセンスには期待が出来ると思います。

ざっくり言うと、料理人と一緒だと思います。
しっかり本業で修行した人には、確かな下地があります。
そういう人は、スタイルが変わっても上手く対応できている。(「質やスピードが安定している」ということ)

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